Trancesendence
<久米未寿子の世界>
私たちは皆
旅する渦
私たちはどこから来てどこへいくのだろう

この壮大なる時空の絵巻
本当の世界を見てみたいという純然たる執着

内から語りかけてくる声に突き動かされるまま倭
(広義の日本)というクニができる頃への遡上

各地に眠る聖域を訪れ
揺蕩う声と対話し
カケラに触れてみると

時を超えて伝わってくる
それぞれの時代を生きた人々の情熱と律動

私たちが生きている現象の世界はとても美しく冷徹に公平です。
必要のないものは存在せず、太古から滅び繋がり続けているものの恩恵なくして今の命もあり得ない。
私の絵はその様々なもの達の変遷する奇譚、様々な時代の姿や生きざまを物語っています。

ある時はこの宇宙が歴史を持ち始めた始まりの瞬間。
ある時はこの島国が出来上がる前
ゴンドワナやパンゲアの頃にいた生物との会話から出来た絵。

ある時は縄文の高い精神性に対する憧憬と敬意。


生と死、再生のサイクル。
人も虫も星も宇宙も生まれて死に、再生を繰り返しています。

その壮大な仕掛け舞台の中に、参加していない人は誰ひとりいません。
震えるほど大仕掛けなこの世界の一員であることを思い出してほしいのです。

私たちは皆
旅する渦